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「深夜特急」の世界に憧れて (回想録 XX年)
鍵をフロントに返却して、私は再び前の暗い道に出た。
そして大通り(マハバンドゥーラ通り)まで来ると、考えることなく自然と先ほど来たのと反対の方向に歩き出していた。
時間はもう夜の9時だというのに、この通りは人でごった返している。
大人に混じって子どももたくさん走り回っている。
親はどうしたのだろうか?
商店のこうこうとした灯りに照らされ、子どもたちは走り回っている。
みんな、屈託のない笑顔だ。
半面、商店で働く大人たちは、どこか愁いを帯びたような目で、淡々と働いている。
背中に赤子をおぶった老婆。
道端に座り込んで、煙草をふかし通りをただ呆然と見つめる老人。
大八車いっぱいに積み上げた藁を引く牛。
両手の無い物乞い。..........
この混沌とした喧騒がここにはある。
しかし、そのすべてがお互いに関係しあい、意味の無いものなど全くない。
よく観察していると、何らかの理由で今そこにそうやっているのがよくわかる。
たまたま通りかかった私が外国人だと分かったのか、先ほどの走り回っていた子供たちが一変して私の回りを取り囲み、すぐそばの土産物屋らしきところに連れて行こうとする。
「こんな時間まで..........」
たぶん、ここは観光客がよく通るのだろう。
「NO、NO..........」
「Later, later 」
「Dinner ,first 」
その場も、柔らかくおことわりして先を急ぐ。

マハバンドゥーラ通り
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