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「深夜特急」の世界に憧れて (回想録 XX年)
カウンターの女性から行き先を聞いたタクシーの運転手は、トランクを開けて私のリュックを掴んで入れようとした。
しかし、私は「自分なりの旅ルール」に従い、低調にこれを断り車内の後部座席に、私の体と一緒にこれを持ち込んだ。
要は、客が目的地に着いて最後にドアを開けて外に出た時、悪質ドライバーの場合、トランクに荷物を載せたまま急発進することが多いからだ。
私はいつも例外なく、日本以外の国ならこれを実践するように心がけている。
最初は不思議そうな顔をしていた運転手も、行き先をもう一度私に確認して、エンジンをふかしはじめた。
懐かしい車だった。
トヨタの「カローラ」の1975年くらいのモデルだろうか?。
一体、何年乗っているのか?
窓も当然のことながらパワーウィンドウなるものはなく、手動式でしかも取っ手は、とうになくなっていた。
座席のレザーはあちこちひび割れている。
しかし、よく清掃されていて不快感はない。
車前方には、がっしりとしたフェンダーミラーがついており、角張ったボディーが昭和の時代を思い出させる。
走りはじめたタクシーの車内から、街並みを見渡すと、こちらもまた日本には無い風景のはずなのに、妙に懐かしい。
あちこちに、ミャンマー風「昭和」らしさが残っている。
もう、辺りはどっぷりと日は暮れて、道端の屋台の灯りが、郷愁を誘う。
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