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「深夜特急」の世界に憧れて (回想録 XX年)
こうやって窓からどこまでも続く箱庭のような風景を見ていると、特に私の場合そうなのだが、目は地上の細かな景色にいっているけれども、心は何故かいつももっと遠いところにいっている事が多い。
例えば、いつも考えないような政治の事であったり、将来の事であったり..........
それで、最も多いのが、遠い過去の事だったりする。
飛行機から地上に散らばる何千、何万もの家々を見ていると、この数だけの人生、生き方、哲学、ドラマがあるのだと思う。
日々の生活に追われていると考えもしないような事が、この景色を眺めていると思い浮かんでくる。
今、窓から見えるタイ・カンボジア国境付近の山々の風景を眺めていると、ふと以前、もうそれも10年ほど前の記憶が浮かんできた。
京都の河原町に、その当時「駸々堂」という書店があった。
古き良き時代である。
私も本当にこの書店にはお世話になった。
子供の頃から、ここにさえ来ればどんな本でも揃った。
目をつぶれば、今でも入ってすぐの階段や見慣れた書棚、レジの位置、奥にあったレコード屋........
ここで、あの沢木耕太郎氏の本「一号線を北上せよ」の出版記念のサイン会も行われた。


もちろん、私も本を買い早くから何時間も並んで順番を待った。
その頃、私は「深夜特急」の影響を受け、旅にどっぷりと漬かっていて、何かこの本のとおりという訳でもないが、沢木氏が通ったルートをたどるような事に情熱を燃やしていた。
そのサイン会があった頃、ちょうどイタリアまで「到達」していた私は、その事を沢木氏にストレートに話すと、時間を割いて
会話してくれた。
最後には、沢木氏が通った道を再び巡る旅、この「自分流の深夜特急」が最後まで到達したら、一度訪ねてきてくれとも言ってもらえた。
しかし、今になっても沢木氏の真似事のような事はできても、なかなかあの領域には自分自身達することなどできないこともあり、フランスから先のスペイン、ポルトガルは手付かずのままになっている。
いつか、自分流の旅もゴールが見えた時、ポルトガルまでそしてロンドンまで行き、それを報告しよう!
ふと我にかえり窓の景色を凝視すると、もうタイの平野部、ナコーン・ラーチャシーマ付近まできていた。
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