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「深夜特急」の世界に憧れて (回想録 XX年)
TG621便でマニラ空港に着いたバンコク行きの乗客は、機内から一度空港ターミナルに出され、1時間ほど機内清掃を待つことになる。
その時、フィリピン入国の乗客は右側の通路へと進み、バンコク行きの乗客はプラスチック製の番号札をもらって、左側の入口から待合室へと誘導される。
トイレに行きたかった私は、その当時、いくら何でも空港ということもあって、何の恐怖心も持つことなく待合室のトイレへと駆け込んだのだが、その後いきなり「洗礼」を受けることになるのである。
ここは空港だから、当然あちこちいたるところに様々な職員がいて仕事をしている。
もちろんトイレにも若い男性職員がいて、掃除をしたり石鹸の交換などをしていた。
その時は、別に何の疑いも持たなかったのだが、用をたして洗面所で手を洗おうとすると、その職員は飛んできて水の蛇口をひねってくれるではないか!
なんと親切だなあ~!
と、思っていると、今度は、手を拭く紙まで取って私にくれるではないか!
本当に親切だなあ~!!
感心しているのもつかの間、「洗礼」はやってきた。
そのまま礼を言って立ち去ろうとすると、
「マネー、マネー」
私は思わず「はあ~???」
それにたいして向こうも「はあ~?」という表情をしている。
最初は何が起こったのか全く理解不能だったが、数秒のうちに状況が把握できるようになってきて、一瞬頭でどうこの場を処理するのがベストか考えた。
要するに私が経験不足で甘かったのである。
マネーと言われても、フィリピンペソなど持っていない。
そこで、ポケットに小銭があったのを思い出し、その中から穴の開いた5円玉をひとつ、恐る恐る差し出してみた。
さあ、どう反応するか?
彼は、5円玉を眺め不思議そうな顔をしつつも、ニヤニヤしながら立ち去って行った。
当然、彼は、5円玉の価値がわからなかったのだ。
結果的に、この勝負は、5円の授業料で済んだ。
別に、無視して立ち去ることも可能だったが、サービスに対してチップを払わない奴と思われてもイヤなので、それ以降、マニラ空港のトイレを使う際は、ボーイがひねった蛇口とは違う蛇口を、自分でひねることにしている。
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