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「深夜特急」の世界に憧れて (回想録 XX年)
スコールが降り始めてから、5分もしないうちに、無情にもバスはスーレーパゴダ前のバス停に着いてしまった。

流石にここは、市内で最も中心部のバス停だけあって、大勢の乗客が降りようと試みているのであるが、たとえ傘を持っている客であったとしても、この滝のような雨ではスムーズに外へは出れない。

一旦バスの屋根に降った雨水が、乗降口の上から滝のようになって、道路に注いでいるので、中の乗客から見たら、滝の裏側から中央突破するようなものなのだ。

そして乗客の方はというと、普通なら、前がなかなか進まないから、出口に我先にと詰め寄るところであろうが、この時は予想に反して、乗客たちは至って冷静で、お互い助け合い、とても秩序良く見えた。

実はこの時、ミャンマー人の性質というものがよく見えた気がしたのだ。
以前、中国の西安で路線バスに乗った時の記憶と、私は重ね合わせていた。

偶然かも知れないが、西安でもこのヤンゴンの時と全く同じケースに出くわしたのだ。
満員状態で目的地に着いたのだが、その時はとうとう降りることが出来ず、バスは発車してしまった。
そこで私は思った。
「中国には、秩序も何もないのか!」
まだ、降りる客も済んでいないのに、我先にと狭い入口にこれから乗る客が殺到してくるのだ!
中国では、その後も何回か私は同じ目に遭った。

でもミャンマーは違った。
皆、弱者にとても優しかった。
見ず知らずの人でも、気安く傘に入れて下車して行った。

もちろん、この私も、すぐ前にいた中年の女性に救われた。
バスの出口から、前にある電話局の大きな建物まで送り届けてくれたのだった。
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