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「深夜特急」の世界に憧れて (回想録 XX年)
水中寺院の境内は、一周するのに5分もからなかった。

この中に居ると、周囲に渦を巻く濁流がウソのようだが、船着き場から見て一番反対側のところまで進んでゆくと、その端が階段状になっていて、参拝に来た若者たちが流れのそばまで行って遊んでいる。

もし転落でもして、この濁流に呑まれるようなことがあれば、確実に流されてしまうような強い流れだ。

心の中では、「自分も下まで降りて、若者たちと同じように、水の流れに触れてみたい」という気持ちもあったが、その時はそれを押さえる自分の方が強かった。

「こんなところで、人生を終わるのは残念だ!」と思ったが、その反対に、
「もし、今、大地震でも起こって、この寺ごと沈んでしまっても仕方ない」とも思えた。
私の母方の実家は寺で、当然の事ながら私の祖父は僧侶なので、
だからかも知れないが、私は子供の頃から寺が好きで、死ぬのも寺なら本望だとも、その時思えた。

若者たちは、大ナマズに餌を与えて遊んでいる
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