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「深夜特急」の世界に憧れて (回想録 XX年)
更に30分もすると、乗客は10人ほどになってしまい、さっきまでの混雑がウソのようだ。
もうこの頃になると、満員の時には全く見えなかった座席が、その全貌を明らかにしていた。
そして私は、何か得でもしたかのような気持ちになり、窓際の席に腰を落ち着けたのだ。

やがて、バスは比較的大きな川に突き当たり、その後は川沿いの道路を川と並行して走っていた。
「これが、あのボーイさんが言っていた川なのだろうか..............?」

しばらく、そんなことを考えながら窓の外の景色を眺めていると、一際きらびやかな寺院が見えて来て、わずかに残った乗客がざわざわとし始めた。

直感的に「これが水中寺院か!」と思った私は、車掌さんの方に目をやると、彼もこちらを見て、「着いたよ!」と言わんばかりに、首を大きく出口の方に振って、私に降りるように促していた。

地元の人しか訪れない、ガイドブックには載っていない「旅」。
自分の「旅する力」だけで進める「旅」に、私はその時陶酔していた..............。

水中寺院
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