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「深夜特急」の世界に憧れて (回想録 XX年)
462ドルと言えば、その当時のドル円相場で計算すると、6万円を超えている。
やはりノーマルチケットは高過ぎる!
思った通りだった。

そして私は、本当のところはノーマルチケットの料金が高かったせいなのに、いかにも出発の希望日があわなかったふりをしてしまった。
「三日間は待てないので、他社の便で探してみます。」
私はオフィスを後にした。

しかし、実はその当時、ビーマンバングラデシュ航空以外の「他社便」は、飛んでいなかったのである。
「さて、困ったぞ..............」
この、上手く理想通り行かないのが「旅」では当たり前で、それが実は楽しくて止められない。

次の手を考えるのがとても面白い。
囲碁や将棋、チェスのようなゲームなども次の手を考えて楽しむのだけれど、決定的に違うのは、ゲームの場合だと盤の上の駒(プレーヤー)を上から眺める人間が楽しむ。

しかし「旅」というゲームの中の「旅行者」は、すなわち「駒」(プレーヤー)そのもの自身が自分で考えて行動するので、一つ間違った動き方をすると、その「旅行者」はとんでもないことになってしまう。

ここでまた映画のことを思い出してしまった。
「トロン」そしてその続編「トロンレガシィ」という映画だ。
コンピューターゲームの天才である主人公「フリン」が、頭脳の膨張したゲームに取り込まれてしまい、ゲームの駒に自分がなり次々現れる強敵と戦うことになるのだ。
ゲームの場合もスリル満点だろうが、「旅」の場合も、「旅の中にいるプレーヤー」にとっては、スリル満点だ..............。


そして私は暑い中、重たい荷物を抱えて歩きまわっても仕方がないので、どこかカフェでも入って、計画を立て直すことにした。

しかし、本当のところはいくら考えても「他社便」は無いので、なんとかして街の旅行社をくまなく探してディスカウントされた「格安航空券」を探さなければならない。

スーレーパゴダの近くで見つけたオープンカフェで、とりあえず落ち着くことにした私は、冷たいアイスティーと氷を口に含んで、いつまでも歯と衝突させ「コロコロ」と音を立てながら、「OAG」のフライト時刻表を穴が開くほど見ていた。

そして、グラスの中のティーが無くなり、残された氷が溶け、水になった氷が壁面にわずかに残ったティーの茶色と混ざり、ぬるいうす茶色の液体が出来た頃、ある妙案が頭に浮かんだのだった。
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