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「深夜特急」の世界に憧れて (回想録 XX年)
私は、ビーマンバングラデシュ航空のオフィスの重たいドアを、リュックとは反対の腕の肘の部分を使って押し開け、中をのぞき込んだ。
そこは、いかにも「事務所らしい」と言う言葉が似合うような、何の特徴もない、商売っ気の無い、ただ机と椅子が並べられてあるだけのオフィスだった。
そして、あまり愛想の良くない感じの若い女性が2人座っていて、私の気配を感じてか、こちらの方を振り返っていた。
想像するに、恐らくここには旅行者が直接チケットを買い付けに来るような事はあまり無いのだろう。

半開きのドアから、首だけ中に突っ込んだ格好のまま、
「ダッカまでの航空券を買いたいのだが..............」
すると、まだ比較的愛想の良い方の事務員が、手を振って私が中に入るように促した。
言われるがままに、カウンターの椅子に腰掛けた私に向かって、
「何日の便がご希望ですか?」と質問してきた。
「早ければ早いほど嬉しいんですけど..............」
私は、おおよそのところは「OAG」で、週に2便しか飛んでいないこと、
そして、それも毎週火曜日と金曜日しか飛んでいないことも把握していた。
本当に知りたいのは、「このオフィスでチケットを購入するといくらか」と言うことだった。
「そうすると今日火曜日の便は終わったので、次は三日後の金曜日になります」
私は核心の部分に触れた。
「片道いくらですか?」
女性はパソコンを操作して「462ドル」と、何の表情も変えることなく、あっさりと言った。
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