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「深夜特急」の世界に憧れて (回想録 XX年)
カフェで、ジュースを少しづつ飲んで粘っていると、30分くらいした頃だろうか..............
通りの方から「旦那!旦那!..............」という声がする。
別に気にせず、無視していると、
「旦那!旦那!あんただよ!」
「ん?」
ちょっと気になったので、その方をよく見ると、やっぱりさっきバスターミナルからここまで乗ってきたサイカーの運転手ではないか..............。

私は、気がつかなかったのだが、向こうは私の動きをずっと捕捉していたようだった。
「旦那!また乗って行ってよ!」
なんと仕事熱心と言うか、しつこいと言うか。
街には客待ちのサイカーがあふれかえっているため、一人客を逃すと当分仕事にはありつけないのだ。
しかも、私のような「カモ」は滅多に現れないのであろう。

私の方も、そろそろホテルに戻ろうと考えていたところだったので、明日の乗り合いタクシーのチケットを買ってから、再び彼のサイカーに乗ることにした。
「今度は1000チャットでOKやろ?」
「旦那! 自分は小さい子供が5人もいて、腹をすかせているんだ。3000でお願いしますよ!」
「そんなの関係無いやん」とも思ったが、
ここまでくると、もう単なる客と運転手という関係を超えて、昔からの知り合いだったような、妙な親密感的なものがほんの少しだけ芽生えているのを感じていた。

普通だったら、「Too expensive 」と一蹴するところなのだが、旅をしているとこのようなことがよくある。
同じ運転手に何回も出くわすのだ。
恐らくは、行く先々で相場のわからない「カモ」を一度見つけたら最後まで離さない魂胆なのだろうが、私の場合、ある時からこれを逆手に取って好んで同じ運転手を利用するようになった。
わずかな「カモ料金」を上乗せするだけで、気心の知れた妙な安心感から、もっとDEEPな、ガイドブックに載っていない面白いエリアへと案内させることが出来るのだ。
しかも、「明日、何時にホテルまで迎えに来てくれ」とか、こんなことも頼める。

乗り合いタクシーのチケット
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