FC2ブログ
「深夜特急」の世界に憧れて (回想録 XX年)
ホテルの方向に走っている例のタクシーの中で、今度は私が運転手に一泡吹かせる番だと思った。
とにかく、ホテルに戻りこの状況をフロントの従業員たちに話せば、この「不条理な請求」に対して私の味方をしてくれるに違いないし、少なくとも周りの人間をたくさん味方につけて、今の私の不利の状況を改善できるかもしれないと考えた。
今のこの一対一のままでは、あまりにも不利である。
そうしている間にも、車は徐々にホテルの方角に進んでいる。
そして、2~3分走ったところで、運転手は突然、路肩に車を寄せた。
感づかれたのだろうか?
運転手は突然、先ほどとは違う温和な目で振り返り私に言った。
「自分もこれから忙しく、他の客を載せなければいけないので、今日は100USドルにまけとくよ!」
いきなり300ドルから100ドルだ。
しかし、まだそれでも高すぎる。
運転手にしてみれば、ホテルまで行ってしまうと反対に、ぼったくるどころか、ホテル前で私に大騒ぎされて一銭ももらい損ねることだってあり得る。
もしかしたら、そんな風に思ったのだろうか?
私が、首を横に振り続けると、今度は運転手の方から、ドンドンとディスカウントし始めたのだった。


スポンサーサイト