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「深夜特急」の世界に憧れて (回想録 XX年)
そろそろニャンウー空港に向かわなければならない時間になってきた。
荷物をまとめてチェックアウトし、私は前の道で馬車を探した。
大抵の場合は、見通しの良い木陰や軒下を自分の拠点として馬車は待機しているので、我々外国人が荷物を持ってキョロキョロしようものなら、こちらが黙っていても向こうから乗らないかと聞きに来てくれる。
しかし、向こうから寄ってくる連中は、ほとんどと言って間違いないほど、
「ぼってくる」。
要するに、最初は必ずと言ってよいほど「ぼったくり価格」を提示してくるのだ。
私は、今までの長い旅の中で、この「ぼったくり」と一体何回対峙してきたことか。
しかし、驚くこと無かれ!
まだこの「ぼったくり価格」は、提示してくるだけまだ「良心的」なのである。
自分が、その価格に対して「高い」と思えば、適正価格だと思うまで「値下げ交渉」すれば良いし、相手が交渉に応じなければ、他の馬車を探せば良い。
たとえ、その「ぼったくり価格」が法外な値段だったとしても、自分自身が納得して乗車するので、最悪でもその「ぼったくり価格」以上払うことは無い。
以前、マニラの市内のタクシーに乗った時のことだが、私はとんでもないことに出くわしてしまった。
いつも私は、特にタクシーに関しては慎重に利用する方なのだが、その時に限って、前日からの極度の疲労で「注意力」が散漫になっていた。
「メータータクシー」に乗ったのだが、いざ降りる時になって、肝心のメーターが起動していなかったことに気がついたのだ。
外国では、仮にタクシーにメーターが付いていたとしても、客が金を沢山持っていそうだと思った場合、運転手はメーターを使いたがらない。
普段の私なら、運転手がメーターを使わないとわかれば、即、目的地までの料金交渉をするのだが、どういう訳かこの日はこれを怠ってしまった。
そのあとの結末は、もう想像の通りである。


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