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「深夜特急」の世界に憧れて (回想録 XX年)
更に、ドライバーは私達を奥の方へと導いてゆく。
そしてそこには、背の高いヤシの木が何本か並んでいて、上にはラグビーボールの大きさくらいの実がいくつか成っていたのだ。
「一体、こんな所に連れて来て何を売ろうというのだろうか?」
と思っていたら、
「まさか!」
直感というのはよく当たるように出来ている。
この光景を見せられると、やはりこれしか無いという感じだった。
しばらくすると、30歳くらいの、痩せこけた男性が出てきて、ロープ1本だけを使って、ヤシの木に登り始めたのだ。
「たぶん、ヤシの実を取ってきて、売りつけに来ますよ」青年が言った。
「頼んでもいないのに?」
「そういうものなんですよ~。別に、買う必要はありませんよ。」
青年の予想通り、上からヤシの実を取ってきた痩身の男は、私達の目の前でヤシの実を割って見せて、私達に差し出した。
「触っては駄目ですよ!」青年は、私に忠告した。
「値段も決めずに、口を付けたら、とんでもない料金を請求されますよ。」
なんか痩身の男には申し訳ないような気がしたが、その場は青年に従っておくことにした。

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