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「深夜特急」の世界に憧れて (回想録 XX年)
今度は、道の反対側のパラソルの屋台に顔を出してみた。
先ほどと違って、一見オーソドックスなサンドイッチのような朝食が提供されているように見える。
さっきから、あちこちでいい匂いが立ち込めているので、腹の方は朝だというのに空腹の限界点に近づいていた。
そして、すぐそばで村人が食べている姿を見て、気がつけば自然と一人前注文してしまっていた。
「注文したぞ!」という妙な達成感から少しホッとして、椅子に座りながら、道路を行き交う馬車や自転車を目で追っていると、徐々に副交感神経が優勢となり、頭がぼーっとして気持ちよくなってくる。
屋台の主が、数個の卵をボールに割り、勢い良く撹拌し始めた。
そして、ほどよく混ざったところで、アツアツに熱せられた鉄板の上に、パチパチ音を立てながら薄く広げていた。
この頃になると、空腹感も最高点まで上昇してきて生唾を飲み込んでしまうようになっていた。
程よく卵が焼けたのを見計らい、主は食パンも鉄板の上に置き、あとは野菜類を載せ始めた。
出来あがるまでの、わずか5分くらいのことなのだが、今の日本ではあまりなくなってしまった、昔を思い出させてホッとさせてくれる瞬間だった。
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